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軌道に打上げられた最初の犬、ライカの悲劇。
March 17, 2017

宇宙開発戦争の勝利は、人々の心を切り裂くような悲しい出来事でもあった。
1957年11月3日、ソ連は生きた動物を初めて地球周回軌道に送るべく打上げを行った。
その犬の名はライカ。フライトは無事人間が宇宙に行けるかどうかを占うテストであり、当時の技術力から考えて帰還することは不可能に近く、1匹の犬にとって明らかに自殺行為を意味するミッションであった。
ライカはロケットが打ち上げられる1週間前、モスクワの街をさ迷っていた。
彼女は体型が小さく、おとなしい性格で、早速コスモノート(ソ連の宇宙飛行士の称号)に推薦された。ユーリ・ガガーリンが人類初の有人飛行を成功させる前…徘徊していた犬たちに、選択の余地はなかった。(ライカに先んじて宇宙に向かった犬たちもいたが、弾道飛行に終わっている)ソ連にとっては、アメリカがぐずぐずしている間に大当たりを出してやろうと企てたミッションの数々だった。そして、世界初の衛星スプートニクの打上げに成功。ライカが軌道に向けて搭乗したのはスプートニク2号、アメリカは依然ソ連の後塵を拝していた。
マスコミ各社は犬が宇宙に向かったことを嘲笑したり、また憐れみの記事を書いたりとさまざまであったが、アメリカのある記者はライカに哀悼の意を捧げている。
また、イギリス人のライターは惨劇を嘆き悲しみ、痛烈にロシア人を非難、侮辱する記事を発表している。「犬が命を奪われる。だが、我々はそれを救ってやることができない」
この瞬間、ロンドンのソビエト大使館は祝賀ムードから一転して、鎮圧作業に追われることになった。
「ロシア人は、犬が大好きなのです」TIME誌を通じて、ソ連の広報官は反撃。
半世紀を経て、ロシアの広報官が当時PRに使用された原稿を発見した、と再び世にこれを公表した。しかしその内容は、ライカの死がいかに人道的であったかを極度に誇張したものに過ぎなかった。
彼らは長きに渡り、ライカは周回軌道に乗って1週間後痛みを感じることもなく息を引き取った、と主張してきた。だが、2002年モスクワ生物学問題研究所の研究員が真実を暴露したのだ。彼女は発射後1時間以内にパニックと灼熱によって亡くなっている、とBBCは報じた。
スプートク2号は5か月間地球を回り続け、1958年4月大気圏再突入後に焼失した。
研究員はライカそっくりのぬいぐるみを家に持ち帰り、彼女が冒険旅行に行く前そうであったように彼の子供たちとともに戯れているそうだ。
「ライカはおとなしくて、チャーミングだった」ウラジミール・ヤドフスキー博士は、彼の著書「ソビエトの宇宙医学」のなかでこう供述している。
そして、こう付け加えた。
「私はもっと彼女にやさしく接するべきだった。彼女の生涯はほんの僅かしか残されていなかったのだから」
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