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人類史上初の月面着陸を果たしたアポロ11号。宇宙飛行士の日給は8ドル(914円)だった!?
December 1, 2016

果てしない宇宙、限界に挑戦し続ける宇宙飛行士たち。開発の歴史に燦然と輝く偉業の数々。
そこにお金の話題をもってくるのは少々憚られるが、他人の懐具合が気になるのは世の常。
1969年7月21日アポロ11号で月面着陸に成功した3名は英雄でありながら、実は公務員だった。
月面着陸から帰還後その任務に対しての支払いがあったのだが、彼らはこの機会を最後の切り札にしようと考えていた。「Moondust : In search of the Men who fell to Earth」の作者アンドリュー・スミスは著書の中で「必要経費」についてこう記述している。
アームストロング、オルドリン、コリンズの3名は業務の一環として出張を命じられた。
そして、行き先が当時たまたま「月」だったのだ。
アメリカ人は彼ら一人一人が勇敢な兵士として前線に突入し、私たちの想像を超える成果を上げて帰還したことを評価している。NO! いや、果たしてそうなのだろうか?
なぜなら彼らが月に行った報酬は、日給8ドル(912円)であった。しかも、この金額からホテル代が差し引かれるのである。ホテル代とはNASAが支給しているアポロ11号のカプセルを意味するのだが、とてもとても信じがたいNASAの扱い。あくまで仮定の話であるが、もしルームサービスでも頼もうなら当然のごとく自腹となる。
宇宙飛行士たちはこの賃金ではとても責任は負えない、といった申し立てをしている。何しろ現在の貨幣価値で換算してもおよそ50ドル(5,700円)にしかならないのだ。
2005年、「Moondust in the London Review of Books」の中でスティーブン・シェーピンは「Moon Men」の葛藤として次のようにレポートしている。空軍パイロットの機長クラスで年収17,000ドル(1,938,000円)。現在で言うと100,000ドル(11,140,000円)相当を受け取っていた時代に、月に行った3名は軍の職員レベルでしかなかった。
それだけではない。宇宙飛行士になるために研鑽を積み、長期にわたって教育や訓練を受け、
多大なるリスクを負い、彼らの命懸けのミッションを考慮すれば明らかに低い。危険手当など微塵もない。
3名の宇宙飛行士はアポロ11号に搭乗し世界の注目を集めたが、たまたま月面着陸に成功したNASAの一員でしかなかったのだ。インタビューの際、彼らは月に旅立つ前と帰った後の心境の変化や感動の様子、月面の地表や環境などを克明に伝えた。そして、私たちのさまざまな疑問をクリアにしてくれた純粋で真摯なパイロットたちだった。当時の給料はそのポジションに対する評価そのもので、ステータスなど加味される余地は全くなかった。
メンバーはNASAの厳格な融通の利かない官僚主義が背景にあったことにも触れている。
よって、宇宙飛行士の給料も歴史の一幕を飾る立派なエピソードになった。
3名の月面出張は世界的な偉業であったが、国家として彼らに対する報酬は充分であったのか。栄光に隠された現実、適切な評価の難しさを物語っている。
(文中の円換算は1ドル=114円で計算しています)